いつもの”飛んでいる虫”、実は羽アリかも知れません

春~初夏になると、窓際やベランダでひらひらと舞う小さな羽虫をよく目にしますよね。
しかし、その正体は「羽アリ」(ヤマトシロアリの有翅虫など)である可能性大!
ただの「羽虫」と放置すると、気づかぬうちに家屋内部でコロニーを拡大してしまう恐れがあります。

拡大した画像がこちらです。普段何気なく見ていた虫、実は羽アリなのも知れません。かなりの数の羽アリが飛んでいます。
Contents
羽アリを見分ける3つのポイント
翅(はね)の大きさと枚数
羽アリは前翅と後翅がほぼ同じ大きさの4枚羽を持ち、ハエや蚊のように前翅だけが大きい他の昆虫と明確に区別できます。羽アリの翅は薄く透けるような紙質で、光を受けるとほんのり光沢を帯びるのが特徴です。飛び終えると翅を落とし、羽根だけが窓枠や床に散らばっていることも多いので、まずは“落ちた翅”にも注目してみましょう。
体の色と形
羽アリは色味が淡い茶褐色から淡いグレーで、体節(頭部―胸部―腹部)がはっきり3つに分かれています。特に胸部の部分が他のアリに比べてやや膨らんで見えるため、シルエットでも判別しやすいです。
触角は肘状に曲がらず、まっすぐに伸びることが多いので、光源の近くに止まった個体を拡大鏡やスマホのマクロ撮影でチェックすると、より確実に「羽アリ」と判断できます。
群飛(ぐんぴ)の様子
羽アリ最大の特徴は、コロニー内で羽化した有翅アリが一斉に飛び立つ「群飛」です。特に晴れた日の気温が20~28℃、湿度が60%以上の朝や夕方に、大量の羽アリが地中や材木集積地から一斉に飛来します。
群飛時は数百~数千匹単位で舞い上がるため、1匹だけ飛んでいるのとは明らかに異なる迫力があります。もしそのような大きな“虫の雲”を目撃したら、ほぼ間違いなくシロアリの羽アリです。
今なぜ大発生?羽アリシーズン到来のメカニズム
高温多湿が誘因に
春から夏にかけての温暖で湿度の高い気候は、シロアリの羽化・群飛を促進します。地中や木材内部で越冬していた幼虫が、気温の上昇を合図に一斉に羽化し、適度な湿度と温度条件がそろったタイミングで地表へ押し出されるのです。特に5~7月は、日本全国で羽アリが飛び出す最盛期にあたります。
建物の老朽化と潜在リスク
築年数の経った住宅ほど、木部の腐朽や水分の浸入による劣化が進みやすく、シロアリのエサ場が増える傾向にあります。湿気が溜まりやすい床下や壁内のわずかな隙間でもコロニーが繁殖し、ある日突然大量の羽アリを放出して群飛を開始するケースが少なくありません。定期的な点検を怠ると、症状が進行した段階で初めて異変に気付くことになりかねません。
梅雨前後のタイミング
梅雨入り前後の降雨により地中の水分量が上昇し、その後の晴れ間で急激に気温と湿度が高まると、羽化した有翅アリが飛び立つ最適な環境が整います。特に梅雨明け直後の7月上旬は、地上に出て定着場所を探す羽アリのピーク時期。雨上がりの晴れた夕方は要注意で、窓や換気口の周りに群がる光景を目にすることが増えます。
自宅でできる簡易チェック&応急処置
- 羽アリの落下地点を確認
カーテンや窓枠、照明の下に散らばった羽がないかチェック。 - ライトトラップを設置
懐中電灯やランプで集めた羽アリをビンに溜め、数日観察して種を特定。 - 隙間の封鎖
サッシの隙間や床下換気口にガムテープやウレタンフォームを詰め、一時的に侵入を防ぎます。
害虫駆除はプロにおまかせ
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