【写真付きで徹底解説】アメリカカンザイシロアリとは?特徴・被害事例・駆除方法・予防策まで解説
日本でも近年被害報告が増加しているアメリカカンザイシロアリ(アメリカ乾材白蟻)。
「気づいたら家具の中がスカスカに…」「いつの間にか羽アリが発生していた」――そんなケースも少なくありません。
この記事では、アメリカカンザイシロアリの生態・発見のポイント・他シロアリとの違い・駆除方法・予防対策まで詳しく紹介します。
Contents
▶ アメリカカンザイシロアリとは?
アメリカカンザイシロアリとは北米原産の乾材性シロアリです。
名前の通り乾いた木材(乾材)に生息するのが最大の特徴で、家具や柱、床などにじわじわと被害を与えます。
特徴まとめ:
- 水分が不要で乾いた木材内部に巣を作る
- 1つの巣に数百〜数千匹と少人数制
- 羽アリが6~10月頃に発生(地域や気温により差)
- 家具・柱・天井などあらゆる乾燥木材が被害対象
▶ 他のシロアリとの違い
比較項目 | アメリカカンザイシロアリ | ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
---|---|---|---|
生息環境 | 乾燥木材の中 | 湿った木材・地中 | 地中+建物全体 |
水の必要性 | 不要 | 必要 | 必要 |
被害の範囲 | 局所的 | 部分的 | 広範囲に及ぶ |
発見のきっかけ | 糞の粒 or 羽アリ | 蟻道・食害跡 | 蟻道・食害跡 |
アメリカカンザイシロアリは蟻道を作らないため、外から見て発見しづらいのが厄介です。
▶それぞれの羽アリの特徴と違い
項目 | アメリカカンザイシロアリ | ヤマトシロアリ | イエシロアリ |
---|---|---|---|
体長(羽含む) | 約7〜10mm | 約4〜7mm | 約7〜10mm |
体色 | 赤褐色〜暗赤褐色 | 黒褐色(頭部はやや赤みあり) | 茶褐色 |
羽の特徴 | 4枚ともほぼ同じ大きさでやや透明感あり | 4枚ともほぼ同じ大きさ | 4枚ともほぼ同じ大きさ |
群飛時期 | 6〜10月 | 4〜5月 | 6〜7月 |
活動時間帯 | 日中 | 日中(主に午前) | 夜間(街灯に集まる) |
好む環境 | 乾いた木材 | 湿った木材 | 湿った木材+水を運んで乾材も加害 |
蟻道の有無 | なし | あり | あり |
主な分布地域 | 全国(沿岸部・都市部中心、特に輸入材経由) | 北海道以外の日本全国 | 西日本を中心に分布(関東以西・沖縄など) |
▶ 被害の初期サインとは?
次のような症状がある場合は要注意です:
✅ 乾いたコロコロした糞が落ちている


→ 六角形の粒状で、フローリング・棚・窓枠の隅に溜まることがあります。
✅ 木材表面に小さな穴が空いている

→ 直径1~2mmほどの脱出孔。羽アリや糞の排出に使われます。
✅ 木を叩くと空洞音がする

→ 内部が食われてスカスカになっている可能性大。
✅ 羽アリが飛んでいる(春頃~秋にかけて)

→ 体長7〜10mmの茶褐色~赤褐色で頭部に赤みが特徴的な羽アリが複数匹現れたら危険信号。
▶ 実際の被害事例(横浜市内)
- 木造住宅で、天井裏の梁が被害を受け一部天井崩落の危険
- ベランダに羽アリが定期的に大量発生、木部もすでにかなりの食害有
- 天井裏に羽アリが侵入後、食害と糞害の長期的被害
アメリカカンザイシロアリは小規模でも複数の巣を作りやすいため、被害が局所的でも油断できません。
▶ 駆除方法|有効な対策は?
アメリカカンザイシロアリの駆除は、プロによる対応が前提です。
① 穴あけ注入処理(スポット施工)
- 木材に小さな穴を開け、薬剤を直接注入
- 被害箇所が限定的な場合に有効
② 燻蒸処理(ベイピング・ガス処理)
- 家全体を密閉し、ガス薬剤で一斉駆除
- 高コスト・仮住まいが必要になるが根絶効果は高い
③ 交換工事
- 被害がひどい場合は柱や床の構造材ごと交換することも
▶ 自分でできる予防・早期対策
🔸 1. 糞や羽アリを定期的にチェック
特に窓際・家具の隙間・押入れの中など、乾燥した木材まわりを見ましょう。
🔸 2. 輸入家具は要注意
- 海外製品の中には、巣ごと持ち込まれてしまう例も
- 家具裏や木部を確認し、設置前に念入りチェック
🔸 3. 定期的なプロ点検
- 特に築10年以上の木造住宅は年1回のシロアリ点検がおすすめです。
▶ アメリカカンザイシロアリに気づいたら
絶対に放置せず、専門業者に連絡してください。
市販薬では対処しきれない場所に潜んでいる可能性が高く、早期対応が被害の拡大を防ぐ最大のポイントです。
▶ まとめ|見えない害虫だからこそ、定期チェックと予防を!
アメリカカンザイシロアリは、気づきにくい、けれど確実に家を蝕んでいく「静かな侵略者」です。
大切な家や家具を守るためにも、日ごろの観察と早めの専門相談が重要です。